FAQ以前に瞬間英作文をやったのですが成果がみられませんでした。パターンプラクティスだと違いますか?

パターンプラクティスのほうが瞬間英作文に比べて、自分独自の文を作る段階への道筋が作られやすい、という違いがあります。

いっぽう、瞬間英作文でまったく成果を感じられなかったのならば、そもそもの取り組み方に問題があったと考えられ、同じ間違いをパターンプラクティスでも繰り返す危険はあります。

市販教材で瞬間英作文や音読を行ってきたのに成果が出ていない場合、おそらく理由は次の3つです。

1) イメージを描きながらトレーニングできていない

口に出している英文の内容をできるだけ鮮明にイメージ化して練習することが非常に大切です。そうしないと英語が肉体化されません。

例えばテニスの素振りをする時に、本当にボールがそこにあるイメージをしながらラケットを振るのと、単にフォームだけに注意しながら何もイメージせずにラケットを振っているのとでは、実際のプレーでの結果が大きく違ってきます。それと同じことです。

特に瞬間英作文の場合は、日本語を一瞬見て英文を口にするので、日本語の字面のイメージと覚えた英文を結び付けるだけの練習になりがちです。

パターンプラクティスだと日本語には干渉されませんが、単に機械的にチャンクを入れ替えて英文を口にしているだけでは不十分です。

最初のうちは英文を間違えずに言うことに脳のリソースを多く使うので余裕はないかも知れませんが、一日も早くイメージを取り入れ始めることが大切です。

2) オーバーラーニング(過剰学習)をしていない

瞬間英作文で、日本語を見たら瞬時に英語が言えるようになった。その時点でトレーニングを止めてしまいませんでしたか?それでは、単なる「知識」の習得段階とほとんど変わりません。(日本語を英語に訳している段階なのは問題外です。)

使える英語の習得はスポーツと同じです。テニスでボールが飛んで来たら何も考えなくても体が動かなければなりません。とりあえず正しいフォームでラケットを振れるようになったくらいでは試合はできません。愚直に素振りを続ける必要があります。フォームの自動化です。

英語においても、適切な構文が何も考えずに反射的に口をついて出てくるようになるには構文と、その構文に含まれた文法が完全に自動化している必要があります。

話す時の脳のリソースを100%とすると、英語の構文や語彙の操作に使うのはそのうち10%程度に抑える。そんな感覚です。

それを可能にするのがオーバーラーニングです。

オーバーラーニングができているかの目安があります。一つの教材でトレーニング中は、頭の中が教材の英文で溢れ返っている状態になっていることです。

日常生活の中で脈絡なく英文が頭に浮かんだり、夢の中でさまざまな英語が出てくることもあります。そこまで行って、ようやく自分独自の文を自在に作る土台ができたと言えます。

3) 応用練習をしていない

音読や瞬間英作文、シャドーイングだけやっている人に特に起きる問題です。

単なる丸覚えではその教材とまったく同じ状況でしかそのフレーズは使えません。電話応対等のお決まりフレーズならそれでもいいです。でも、それでは英語を使えているとは言えません。

自分独自の文を作る練習は不可欠です。覚えた構文の中の単語やチャンクを自分にとって重要な言葉に置き換えて練習する。さらに、いくつかの構文のパーツを組み合わせて 新しい文を作ってみる。そうした能動的な応用練習をしないと、実践に結び付きにくいです。

パターンプラクティスで練習すると言葉の入れ替えの要領も体得できるので、こうした応用練習にも無理なく移行できます。