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CHAPTER 3 時間稼ぎと言い直し

言葉がとっさに出てこない時に時間を稼ぐフレーズ、うまく言えなかったことを言い直す際のフレーズ、そして時間稼ぎに使える前置きのフレーズを紹介します。

目次

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時間稼ぎの言葉

話を振られたり質問をされた直後に反射的に使える言葉を覚えましょう。

3-1Uhh... / Umm... / Well... / Let me see...え~... / え~... / え~... / そうですね~...
3-2Give me a second... / Give me a sec...ちょっと待ってください。「sec」は「second」の簡略語。
3-1のフレーズより、さらに時間が欲しい時に使える表現。
3-3Hang on...ちょっと待ってください。
3-4Hold on...ちょっと待ってください。
3-5Let me think...考えさせてください。あなたが答えるまでに少し時間をとるかもしれない、と他の参加者に感じさせたい時に使える。

「Let me think...」と言ったら、実際に考えている様子を顔つきやボディランゲージで示すと良い。典型的なボディランゲージとしては、片手を軽く頬や顎にあてたり、視線を上に向けるなど。ちなみに、両腕を組んで考え込むのは警戒心や敵対心のジェスチャーと受け取られやすいので避けよう。

単語やぴったりの言い方が思い出せない時に使えるフレーズ

3-6What's the word?なんて単語だったかなあ?
3-7It's on the tip of my tongue.もう少しで思い出しそうなんですが。「(be) on the tip of my tongue = (直訳)舌先にあって → もう少しで思い出しそう」

どう説明したらいいか悩んでいる時に使えるフレーズ

単語や表現が思い出せないというより、どういう方向から説明したらいいか考えあぐねている状況を伝えたい状況で使うフレーズです。

3-8How can I explain this?どう説明したらいいでしょうかねえ?
3-9There's something I need to say. I'm just trying to find the right words.言う必要のあることがあるんです。正しい言葉を見つけようとしているだけなんです。ずいぶん時間を取ってしまったが、どうしても言葉が出てこない時は、このように前向きな姿勢を示し、他の参加者の興味や関心をかきたてることもできる。

言い直しのフレーズ

時間稼ぎの言葉で急場をしのぎつつ、とにかく話し始める訳ですが、「UNIT 1 会話を修復するフレーズ」でお伝えした通り、完璧な英文へのこだわりは捨てる必要があります。そうしないと会議の早いペースに乗っていけません。

思いついた文でとにかく話し始め、必要なら言葉を切って新たに言い直す。文法上の細かい間違いに気づいても、それをいちいち言い直すのはやめましょう。普通、誰もそんなことは気にしていません。

ここで言う「文法上の細かい間違い」とは、主に三単現のS、時制、名詞の単数/複数のミスです。冠詞/定冠詞の間違いもほぼ気にする必要はないですが、特定の何か、共通認識のある何かにつけるべき「the」に関しては、できれば注意したいです。

まず次の2つの言い方のどちらかをとっさに言えるようにしましょう。

3-10I mean...つまり... / 私が言いたいのは...あとには完全文がくる。
3-11What I mean is (that)...私が言いたいのは...あとには完全文がくる。
3-12What I'm trying to say is that...私が言おうと試みているのは...あとには完全文がくる。自分の言い方のせいで、うまく伝わっていないと感じた時や、相手が怪訝そうな表情の時は「I mean...」「What I mean is (that)...」以外に、「What I'm trying to say is that...」の表現も使える。

「trying」を加えることで不十分な(話し手の私自身も満足できない)説明かもしれないが、私が言おうと試みていることを理解するよう努めていただきたいという気持ちが出る。

では、3-10、3-11、3-12 の表現の後に「it's just a matter of time.(単に時間の問題だということです / 遅かれ早かれ、そういうことになる)」という文を続けて言ってみましょう。

3-13I mean... it's just a matter of time.つまり... それは単に時間の問題なんです。
3-14What I mean is (that) it's just a matter of time.私が言いたいのは、それは単に時間の問題だということです。
3-15What I'm trying to say is that... it's just a matter of time.私が言おうと試みているのは...それは単に時間の問題だということです。
3-16I said it wrong...言い間違えました「言い間違えました」とわざわざ言いたいならばこのフレーズが使える。

前置きの言葉で時間稼ぎをする

前置きに使われる言葉をいくつか紹介しておきます。ここで前置きの言葉というのは、文の出だしに一言付け加えて相手に心の準備をさせる切り出しの文句のことを言います。

本来は時間稼ぎの言葉ではないですが、時間稼ぎにも使えるので重宝するかも知れません。

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ストレートさをやわらげるクッション言葉としての前置き

3-17I was thinking (that)...(~と)考えてたんですが...「thinking...」の後に来る内容を、いきなり口にするよりも「考えてたんですが...」と前置きすることで、相手はいったい何を言い出されるのだろうと感じて、心の準備ができる。

「How about~?」などと同様、提案を述べる時にも使える。「How about~?」が単刀直入なのに比べ「thinking」は柔らかい印象。
3-18I was thinking that... maybe we should reconsider our plan.我々の計画をたぶん考え直すべきではと、考えてたんですが...
3-19I was thinking... Why don't we reconsider our plan?考えていたんですが...我々の計画を考え直してはどうでしょうか?「I was thinking...」と語尾を延ばす感じで、そこで一旦切って新たなセンテンスで始めてもいい。それで前置きの役目は十分果たしたことになる。(この場合は「I was thinking that」の「that」は省略するのが英語ネイティブなら自然だが、あなたが自分で使う時にはそこまで気にする必要もない。)
3-20I was wondering if...ちょっと思っていたんですけど~というのは(どうでしょう)...「I was thinking (that)...」と比べると、気遣いや遠慮をより強く示した言い方となる。だから、確固とした意見や主張を述べる時には使わない方がいい。
3-21I was wondering if it's a good idea to transfer this responsibility to someone else.この責務を誰か別の人間に移す方が良いのではないかとちょっと思っていたのですが(どうでしょう)。
3-22I was wondering... How about transferring this responsibility to someone else?ちょっと思っていたんですけど... この責務を誰か別の人間に移すというのはどうでしょうか?「I was thinking」と同様、「I was wondering...」 と語尾を延ばす感じで、そこで一旦切って新たなセンテンスで始めてもいい。(この場合「if」は言わないのが英語ネイティブなら自然だが、あなたが自分で使う時にはそこまで気にする必要もない。)
3-23I was wondering if you could help me.手を貸して頂けないかと思っていたんですが。→ 構わなければ手を貸して頂けますか?「I was wondering if...」は、丁寧に依頼や頼み事をする際にも使える。

時間稼ぎの言葉として使えるその他の前置き

「Here's the thing.」は、何かを説明する時や要約する時の前置きに使います。「Here's」は「Here is」の短縮形。

日本語にしにくいですが「ポイントはですね...」「つまりこれはこういうことなんです...」「ここが大切なんですけど....」「ここが問題なんですが...」といった意味で使われます。ちょっと面倒なこと、困ったことなどがあって、それを説明する時に使われることが多い。

3-24Here's the thing.ポイントはですね...
3-25Here's the thing. We're no longer able to complete this project within our budget.問題はですねえ...予算内でこのプロジェクトを完成することが、もはや出来なくなっているんですよ。
3-26The thing is that...問題はですね...「Here's the thing.」のバリエーションで、意味やニュアンスは同じ。
3-27The thing is that we're no longer able to complete this project within our budget.問題はですねえ...予算内でこのプロジェクトを完成することが、もはや出来なくなっているんですよ。

以上、時間稼ぎと言い直しの表現を見てきました。

答えにくい質問をされた時に返すフレーズも時間稼ぎの一つと考えられないこともないですが、それは「CHAPTER 10 提案・解決案提示・理由を述べるフレーズ」で紹介します。

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