オンライン英会話スクール活用法
パタプライングリッシュをより効果的にするための英会話スクールの活用方法とお勧めの英会話スクールについてご紹介します。
目次
英会話スクールでなければできないこと
「英会話スクールでなければできないこと」と「自分だけでできること」をしっかり見極めることが大切です。
1.実際の会話でうまく言えないことが明確になり、その言い方を教えてもらえる
与えられたトピックで即興で話したり、フリートーク時間を最大限活用しましょう。自分の言える範囲内で会話をせずに、本当に言いたい事を言ってみる挑戦が必要です。
そうすると、うまく言えないことが次々と出てきます。どういう構文や表現、語彙を使えば言えるのか講師に教えてもらうことでスピーキング力が大きく伸びます。
実際の会話で言おうとした内容は今後も口にする可能性の高いです。その場で教えてもらって、自宅で練習することで自分のものにしましょう。
また、日本語で普段話しているトピックをレッスン前に短めに書き出して、レッスン中に直してもらう方法もあります。「つぶやき応用練習[b]」で作った文も確かめてもらえます。
2.言えないことを何とか表現しようと土壇場の経験ができる
1と表裏一体ですが、自分が言えなかったことを、どういう構文や表現、語彙で言えばスッキリとうまく言えるのか。それを講師に教えてもらうためには、その内容を手持ちの構文や語彙を駆使して別の方向から説明しようと四苦八苦することになります。
いわば、何が何でも伝える「土壇場」の状況です。(日本語ができるネイティブ講師もいますが、日本語で質問するのは極力やめましょう。)スピーキング上達には、この土壇場を経験することが実はとても大切です。
英語圏で暮らして英語が上手になる人は、この土壇場が多く、うまく言えなかったことを必ず後から自分で調べて言えるようにするからです。あるいは相手がこちらの言いたい事を察して教えてくれた言葉を書き留めて覚え、自分で練習します。そうやって自分が普段から言いそうなことを表現できる構文や語彙を身につけていくのです。
加えて、必死になって言い換えようとすることで、機転を利かせて一つの物事をさまざまな方向から表現できるようになります。自分一人で応用練習をしていると、そこまで土壇場に自らを追い込むことはなかなかできません。その意味で英会話スクールは役に立ちます。
3.生身の英語コミュニケーションのコツを体得できる
コミュニケーションは言語だけで行う訳ではありません。英語を学んでいると、どうしても言葉の上での意思伝達のみにフォーカスしてしまいます。
実際の会話では口調や発言のタイミング、ボディランゲージ、相手の言葉を聞く時の表情、相手が出してきた助け舟にどううまく乗るか...そんな様々な要素が混然一体となってコミュニケーションの流れを生み出します。
それぞれの要素を上手に使うには、生身の人間相手に経験と試行錯誤を積むしかありません。
自分だけでできること
1.使いまわしが効く基本的センテンスを口に出して繰り返し、自分のものとする
これはパタプライングリッシュで行うことです。パターンプラクティスだけでなく、瞬間英作文や音読、シャドーイングによる訓練でも同じ。スピーキングの訓練において最も時間がかかる部分です。
これを英会話スクールでやろうとしたら、途方もない授業数とお金がかかります。もちろん、週に数回程度のレッスンではまったく足りません。この点こそ、英会話スクールを利用する大多数が勘違いしています。構文の内在化訓練もスクールに頼ってしまうのです。
さらに問題なのは大半の英会話スクールでは、習った構文を使って自分の文を作る(=パタプラのつぶやき応用練習[b])練習をほとんど行いません。
多くの人はほんの少しの進歩のために、スクールでのレッスンに多くの時間とお金を投資することになってしまうのです。
良心的な講師であれば、一人でアウトプット訓練をたっぷりと行うように生徒に伝えるものですが、スクールの営業スタッフはその必要性をあえて強調しません。英会話スクールは顧客にそれなりの上達感を味わせながらも、なるべく長く在籍させるのが目的だからです。
2.決まり文句を口に出して覚える
センテンス内の単語や時制をほぼ変えることなしに使われるのが「決まり文句」です。挨拶や電話の受け答え、旅行中に必要になる表現などがこれに当たります。
業務関連の決まり文句もあるはずです。これは最優先です。そうした決まり文句は、知っているか知らないかの違いだけです。必要そうなものは単に覚えるしかありません。
一つのことを言い表すのに、とりあえずは一つ、せいぜい二つの言い方を覚えておけば十分です。
英会話スクール選びの基準
下記の3つを満たせるのであれば、どこのスクールでも大差はありません。
- 良い講師がいて、受講者が作った文の語彙や表現をチェックしてくれること
- ふさわしい素材をもとに受講者がしっかりと準備をした、ディスカッション中心のレッスンを行えること
- レッスンを週に1〜3回程度受けられること
どのスクールのディスカッションでも受講者が意見を言うところでレッスンが終わりますが、一歩進んで、受講者が講師の意見を引き出し、議論を戦わせるところまで持っていければベストです。
スクールが「○○メソッド」と打ち出している場合でもどこも似たりよったりですが、「カランメソッド」は避けるようにしてください。カランメソッドはパターンプラクティスの一歩手前レベルの繰り返し練習を、ビジネスに無関連な英文で行うもので、パタプラ利用者には効果が期待できないからです。
良い講師を選ぶ
講師は下記の3点から選ぶようにいてください。
- 動画付きの講師の自己紹介を必ずチェックする
- 中学・高校で教師の経験(分野を問わず)がある講師は優秀である可能性が高い
- フィリピン人などの非英語ネイティブの場合は、なるべく発音が良い人を選ぶ
非ネイティブが高いレベルの発音を身につけるのは大きな努力が必要です。良い発音であるということは、その講師の英語に向かい合う態度の真面目さを反映していることが多いです。
自分で発音の良し悪しが判断できない場合は、講師紹介動画がYouTubeにあればキャプションを表示してみて、明らかに誤った発音をしていないかどうかチェックすることもできます。
ディスカッションにふさわしい素材と事前準備
どのスクールもディスカッション用の教材を用意しています。ニュースやブログ的な記事を英語学習用にアレンジしたものが多いです。
スクールが用意した流れのままディスカッション教材を使うと、レッスン時間のほとんどが語彙の確認やスクリプトの音読、ディスカッショントピックの内容理解確認など、自分一人でもできる内容となってしまいます。
これを避けるには、ディスカッション教材の記事は先に自分で読み、ディスカッション用の問いをもとに自分の意見を先にまとめておくこと。いきなりディスカッションから開始したい旨をレッスン前に講師に伝えておくことが大切です。講師側も先に記事を読んでおく必要があります。そのようなレッスン対応ができるスクールや講師を選ぶ必要があります。
英語が話せない大きな原因の一つは「話したい内容が日本語であっても即座に出てこないこと」です。そして何か思いついたとしても、それを分かりやすく論理的に人に説明するのが苦手であることです。
そのため、どのような話題に対しても自分の意見を述べ、さらに相手の意見をもとに意見交換できるように訓練すれば、そのスキルはそのままビジネスでも役立ちます。
具体的な準備① ポイントを書き出す
ディスカッション用の記事と問いを読んだら、まずは日本語でよいので、意見を考え、何をどの順番で話すか、ポイントを書き出します。論理的に話すことがビジネスでは大切なので、なるべくPREP(Point-Reason-Example-Point)= 結論-理由-例-結論で書きましょう。
具体的な準備② 書き出したポイントを英語にする
日本語を和文英訳するのでなく「言いたいことの核心は何か」と考え、自分で使える範囲の英語で考えます(パタプラ通信23号「言い換え上手」を参照)。最初は細かく多めに書きだす方がよいです。慣れてくれば、数行レベルでも問題ありません。
語彙や表現を講師にチェックしてもらう
レッスン画面のチャット機能などを使って、準備で書き出したものを講師に見せてレッスン中に添削してもらうか口頭で直してもらいましょう。
直してもらったものは、自然に覚えるまで定期的に音読します。自分で思いついた意見の言い方パターンというのは、知識としてすでに持っていたもので、すでに半ば自動化されています。(知識の自動化についてはこちらの記事ご参照ください。)将来的に必ず使っていくものであるため、自分の手持ち表現として貴重なストックとなります。
週に1〜3回のレッスン
毎日レッスンを受けるのは、話すのに慣れるという意味ではよいですが、しっかりと準備をしたり、講師に添削してもらったものを復習して消化する時間が取れなくなってしまいます。その結果「いつも同じ表現を使ってしまう」という状況になります。
週に一回だとスクールの有効活用にはおそらくギリギリのラインです。準備・復習をきちんと行うという条件であれば問題ありません。
受講者が講師の意見を引き出し、議論を戦わせる
現実により近い状況での会話練習となります。講師に対してシンプルに “What do YOU think?”と聞くだけでもよいです。
意見交換や議論が白熱して脱線して話が弾むなら、それはそれで非常によい展開です。現実と同じ状況だからです。講師が悪乗りして話がとまらなくなったら、それを上手にさえぎって会話を続けるのもよい練習になります。
おすすめのオンライン英会話
英会話スクールは現実の会話のような議論の練習ができる場として活用するようにしましょう。そのためディスカッション教材の観点からお勧めの英会話スクールを記載します。(スクール情報は本コンテンツ執筆時点のものとなります。最新情報はスクールにご確認ください。)
BizMates
自分の専門分野と同じ背景を持った講師が見つかりやすく、講師の平均レベルも高めと考えられます。ただし、ディスカッション用の記事は、受講時の実力診断で高めのレベル(レベル4以上)に達していないと、記事内容確認の質問しかなく、自分の意見を述べたり議論をする練習は自力で設問して準備する必要があります。
通常レッスンではビジネス場面での積極的な会話のやりとりをするロールプレイが、自分で考えて文を作る必要がある点など秀逸ではありますが、ロールプレイを行う時間はメソッドの構成上、短くならざるを得ず、レッスン時間の大半は、他のスクール同様、自分一人でもできるインプット学習となっています。
ディスカッション用の教材「Discovery.」
記事内容は他のスクールと同様ですが、自分のレベルや興味あるトピックから選びやすい仕組みとなっています。レベル4以上(全部で5レベル)の記事でないと、ディスカッション向けの問いはなく、記事内容の確認をする設問ばかりなので、無料体験レッスン/レベル診断でレベル1~3と判定された場合は、自力で意見をまとめてレッスン望むことが必要です。
レアジョブ
ディスカッション教材の幅がやや広めです。「ビジネスディスカッション(15レッスン)中級」では、やや抽象的なトピックに挑戦できます。
ディスカッション用の教材「Weekly News Articles」
ニュース記事でディスカッション。自分の意見やその理由を説明する練習をします。
ディスカッション用の教材「Daily News Articles」
Weekly News Articleよりレベル高めの受講者向け。