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CHAPTER 4 話題を変える

目次

CULTURAL TIPS

会議中に本題から脱線するのは、もちろん英語の会議であってもあまり望ましいことではない。だが、スポーツの例えで示したように、グローバル環境の英語の会議はどちらにボールが飛んでいくか分からないサッカーに似ている。

無秩序で混沌とした中から思いもよらなかった新しいアイデアや方向性が生まれたりするので、参加者の創造的な発想を活かすことも重要だ。だから本題から逸れた発言も大目に見る必要がある。

本人も脱線を充分承知しつつ、それを他の参加者も許容しながら、様子を見ながら議論を発展させる流れもしばしば見られることになる。

そうした会議文化においては、あなたからのインプットを増やすためにあえて脱線してしまうのも一つの手だ。自分が話しやすい方向に話題を変えてしまうのである。

もちろん、新しい話題も議論の進展に貢献する内容である必要がある。そして、あなたの脱線が実際に会議に大きく貢献する可能性もあるのだ。

脱線してしばらく話した後に本題に関して発言したいことが出てきたら、その時に話を戻すこともできるだろう。会話を修復するフレーズとは厳密には言えないかも知れないが、話題を変えたり戻したりする表現をいくつか紹介する。

全フレーズ

再生速度(標準)
再生速度(×0.75)
再生速度(標準)
再生速度(×1.25)
再生速度(×1.5)

脱線することを伝えるフレーズ

4-1aLet me digress for a moment.ちょっとの間、脱線させてください。「Digress」は聞き慣れない人も多いだろう。「本題からそれる、脱線する」の意味。やや硬い言葉なので日常会話では滅多に使わないが、会議で脱線する時には登場する定番の単語だ。
4-1bBut I digress.本題からそれてしまいましたね。「digress」と現在形なので、これから脱線する時に言いそうだが、実際にはすでに脱線している人が本題に戻ろうとする時に使う。
4-2Sorry to change the subject but...話題を変えてすみませんが...4-1a、4-1b より、少し柔らかい言い方。「but」と言って、違う話題についてそのまま話し続けることが多いが「Sorry to change the subject.」で切ってもよい。

相手が口にした事柄や単語を拾って話題を変えるフレーズ

4-3Speaking of which...そう言えば... / その話ですけど...
4-4Speaking of which, I happen to know a very good local recruitment agency.そう言えば、地元のとても良い人材会社を知っています。「Speaking of which」の「which」は相手が話していたことと関連して、または相手が話していたことから思い出して、ということ。
4-5Speaking of the European market, I think we have the potential to attract more customers there.欧州市場と言えば、うちの会社は(欧州市場で)もっと顧客を引き寄せる潜在的可能性があると思います。「Speaking of~」の ~ のところに名詞を入れると「~と言えば」と言う意味になる。

軽いノリで脱線するフレーズ(1)

あ、そう言えば...という軽いノリで話題を変える表現です。

4-6Oh, that reminds me.あ、それで思い出したのだけど。「That」は相手が口にしたばかりの事柄を指す。最初に「Oh,」と入れることが多い。「あっ、そうだ!」と日本語で言うときの「あ!」と同じだ。
4-7Oh, that reminds me. I have a friend who works there.それで思い出しましたけれど、そこで働いている友達がいるんです。どこかの企業の話をしている最中に「それで思い出したけれど」と言う場合。

軽いノリで脱線するフレーズ(2)

4-8Before I forget.忘れる前に
4-9Oh, before I forget, there's one more thing we need to discuss.あ、忘れる前に...もう一つ話し合う件がありました。これも最初に「Oh,」と入れることが多い。何かを思い出した!という符号のようなものだ。

話題を元に戻すフレーズ

4-10Anyway...それはともかく...一番シンプルで万能な言い方。脱線して話のやりとりを行っていて、あるところまできたらそこでスパっとやめて「Anyway...」と言うだけだ。「Anyway...」と言ってから元の話に戻って話し続けてもいいし、他の参加者に振ることもできる。

話を振りたい時は「Anyway...」と言ってから口をつぐんで他の参加者を軽く見回すようなジェスチャーをすればいい。もう充分脱線したから話を戻す合図(cue)と受け止めて、そこから誰かが話を引き継いでくれるはずだ。
4-11Anyway, where were we?それはともかく、我々は何を話していたんでしたっけ?脱線する直前の話題を忘れてしまった時に使える。何を話していたのか覚えていても、こう言ってとぼけて、他の参加者に振ることもできる。

「What were we talking about?」とか「What were we discussing?」でも構わないが、ニュアンス的にこの2つは論議のトピックが何であったか忘れてしまった、という印象。

「Where were we?」だと論議が進行していく様々な段階のどこにいたのか忘れてしまったというニュアンスになる。
4-12To get back to what we were discussing...我々が話し合っていたことに戻りますと...話が脱線する直前の話題に戻して、あなた自身が話し続けたい時に使える。
4-13To get back to your original question...あなたの元々のご質問に戻りますと...誰かがあなたに向けた質問から脱線した場合で、その質問に戻りたい時に使える。
4-14Going back to what you were saying...あなたがおっしゃっていたことに戻りますと...誰かの発言に対するあなたの意見を求められた時点で脱線した話を元に戻す時に使える。
4-15Going back to what you were saying about the new government policy...政府の新政策についてあなたがおっしゃっていたことに戻りますと...「Going back to what you were saying...」で切って話を続けてもいいし、このように相手が話していた話題を明確にしてもいい。

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