【学習原則】音声中心で進める
パタプライングリッシュは、ビジネス用語集・フレーズ集ではありません。「すでに知っている知識」を「使えるための技能」として自動化するためのトレーニング教材です。そのため、原則としてレッスン音声のみで学習を進める構成にしています。
メインとなる英語構文 → 日本語訳 → 使える場面や注意点の説明と音声が流れてきます。その後、メインの構文に様々な代入語(チャンク)を入れて発音する練習が続きます。
代入語の日本語訳も音声で説明があるので、途中で中断して調べずに、音声のみで学習が完結できる作りになっています。
テキスト(スクリプト)を見ながら流し聞きで声に出すだけだと、レッスンの難易度が下がり、効果も低くなります。


トレーニングは基本リピーティングで行う
本教材では「リピーティング」と呼ばれる練習方法を採用しています。
リピーティングとは、音声を真似て声に出して繰り返すことを言います。(代入語を入れて新しい文を作ったり、時制や話法、態、関係代名詞の変換練習なども、便宜上まとめて「リピーティング」と呼びます。)
英語を英語のまま、英語の語順で頭の中に保持し、それを口に出す必要があるので、文の構成力を高めること、英語の回路を作るのに最も役立つ練習方法となります。
リピーティングについて詳しい解説記事もございます。
⇒ リピーティング - 第二言語習得研究の記憶システムと効果的な英語学習のやり方


なぜリピーティングなのか
英語の練習方法として「シャドーイング」を聞いたことがある人も多いかも知れません。なぜシャドーイングではなくリピーティングを推奨するのか、理由があります。
シャドーイングは英語の音を理解する第一段階である音声知覚の自動化には役立ちますが、口にしている英文を他の知識と結びつけたり構造を理解しながら反復することは非常に難しいからです。
シャドーイングを行うならば、リピーティングですらすら言えるようになった例文に対し、復習時に行うことをお勧めします。
効果的に学習を進めていく上では、どんな理論に沿って作られているのかを認識することも役に立ちます。「パタプライングリッシュの効果 - 科学的理論から解説 -」もぜひ合わせてご確認ください。
テキストは補足資料
テキスト(スクリプト)を読みながら進めることで、無意識に音読になってしまわないように注意しましょう。
テキストは、定冠詞/不定冠詞や名詞の単数/複数などを確認するため、間違ったままトレーニングを進めることにならないよう、認識をすり合わせるため、という位置づけで学習するようにしてください。
学習の進め方
新しいレッスンと復習をセットにして学習を進めましょう。一つのレッスンをトータルで8〜9回行うことが目安になります。
復習を行うタイミングは、翌日・1週間後・2週間後・4週間後を推奨しています。エビングハウスの忘却曲線に元に、すでにある知識を技能に転化する最も効率の良い回数・間隔になります。



エビングハウスの忘却曲線とはドイツの心理学者・エビングハウスによる、人が学習した内容を忘れるまでの時間と記憶の関係を表した忘却を表す曲線です。
⇒ エビングハウスの忘却曲線 - 第二言語習得研究の記憶システムと効果的な英語学習のやり方
復習のタイミングについては、レッスンページにある「学習記録」を付けることで、マイページトップ及びメールでリマインドを受け取ることができます。
ヒトの記憶システムの特性から理想的な学習ペースは毎日1時間です。復習レッスンが少ない初期段階は1時間に満たないですが、毎日レッスンを続けることで1時間のスケジュールを必要とする構成になっています。
※初日から1時間しっかりやりたい方は、サンプルスケジュールを参考にしてください。

英語を技能にまで落とし込むには、大量の口頭での反復練習が絶対的に必要な条件です。
たとえ10分でも、やらないよりは、はるかに良いです。とにかく「毎日やること、習慣化すること」を意識するようにしましょう。まずは21日間続けることでトレーニングが習慣化されます。
トレーニング実演
トレーニング方法の解説と実演動画です。
0:00 はじめに
1:09 STEP1 チャンク(代入語)を口に出して覚える
2:19 STEP2 チャンクをセンテンスに入れる
3:29 STEP3 チャンクを使い次々に文章を組み立てていく
口頭練習の注意点
ただ機械的に反復するのではなく、下記の点に注意しながら取り組みましょう。
練習をする際は下記の4点に注意しながら進めてください。
(a)聞こえた文の内容そのままに正確な英文を繰り返す
(b)ポーズ内(次の音声までの合間時間)に言い終われるまで練習する
(c)発音とリズムを少しでも近づける努力をする
(d)英文の内容を鮮明にイメージする
0:31 口頭練習4つの注意点
0:59 【注意点1】聞こえてきた文をそのまま正確に繰り返す
2:46 【注意点2】ポーズ内に言い終わるようになるまで練習
3:56 【注意点3】発音とリズムを教材に少しでも近づける
10:04 【注意点4】英文の内容を鮮明にイメージする
11:14 口頭練習の注意点まとめ
イメージトレーニングの重要性
音声ファイルでネイティブが話している英文、そして自分が口にする英文の内容を、できるだけありありと具体的な情景として思い浮かべます。

イメージするのとしないので、構文や代入語のチャンクが潜在意識に落とし込まれるまでのスピードが圧倒的に違ってきます。機械的に音だけを口から出すのではなく「その気になって」発話することです。
潜在意識は、実際に起こったことと想像上で起こったことの区別ができません。情景・状況をありありと思い浮かべて英文を口にしていると、あたかも実生活で本当にそのやりとりを行ったのと同じように脳は記憶してくれます。
そうした強い印象を脳に与えると、定着が早くなり、また現実に英語を話す場合も、過去にもいつもそうやって話していたかのようにすんなりと言葉が出るようになります。
イメージトレーニングについては「パタプラ通信」でもご案内します。またイメージトレーニングの重要性について科学的根拠から解説した記事もございます。
⇒ 2重符号化説 - 第二言語習得研究の記憶システムと効果的な英語学習のやり方をご確認ください。
上記を最初から全て完璧にする必要はありません。
まずは(a)をクリアしてから(b)→(c)→(d)と順番に付け足していってください。
発話の2つの注意点
実際に口から出して練習する際には以下の基本に注意しましょう。小声で話したり、つぶやいたり、ささやいたりするときは、特に忘れがちです。
1. 息の速度を速くして発音する
全体に息の速度を速くして発音すること。センテンスの中の重要語のアクセントは、特に息を速くする。日本語の3倍くらいの速さの感覚です。
2. 声より息を優先する
日本語は声の音。英語は息の音。英語では声より息を優先します。常に流れ続ける息を、口の形と舌の位置でコントロールして発音する言葉。「ん」以外の音節が全て母音で終わる日本語は、口の形をほとんど変えずに口の中だけで発音できてしまうが、英語でこれをやると英語の音になりません。